変形したお部屋のホームステージング

最高難易度のホームステージング

私達は賃貸住宅にホームステージングを行う場合「決まりづらい」お部屋のホームステージングを行う事が多いです。今回はその中でも最高難易度と感じたお部屋をご紹介させていただきます。

画像のお部屋はバタフライの様な形をした何とも変わったワンルーム。
土地の形や建築の関係で変形したお部屋ができるのは、珍しくありません。そんな時私は「内覧者が不安に思うのはどんな箇所だろう」と考えるようにします。

内覧者の不安を払拭するホームステージングの技法

このお部屋、室内に入ると全ての空間を見渡す事ができ、とても広々した印象を持ちました。
その反面、生活の全てが玄関から丸見えになってしまう事に気が付きました。そこで空間をゆるりと仕切り目隠しをしながら案内ができる様なレイアウトにする事にしました。

奥の三角となった空間をベッドスペースにする事で、斜めに入った壁が程よくベッドを隠してくれます。また、玄関を開けて正面にカウンターテーブルを置き、視線をカウンターに持っていきます。ここに「未来のご入居者様へ」とした内覧者に向けたお手紙をボードにし立て掛けました。
こうする事で、視線を自然とカウンターに誘導し、リビング部分のまる見え感を払拭する事ができます。

玄関を入って左側をリビングスペースに。くつろいでいる場所が玄関から見えない様にパーテーションを置く事にしました。玄関側にはトルソーを設置し「コートや帽子はこちらにいかがですか?」と記載したPOPを掲示。
合わせて「玄関から丸見えのリビングはこうやって隠す事ができます!」と記載しました。

POP+インテリア=空間工房のホームステージング

インテリアだけではお部屋の魅力は全て伝わらないと考えています。インテリアで不足する部分はPOPにして言葉で補足を行います。POPに関しては以前のコラムでもご紹介させていただきました。

この部屋のホームステージングでもPOPを用いてお部屋の魅力を伝え、成約に導く事ができました。
このお部屋のホームステージングはリビングプランにベッドをオプションとして付け演出させていただきました。このお部屋は設置後10日で2部屋の申し込みをいただきました。同じ建物内の四角いお部屋より先に決まったとの事。ご依頼主様からも「当初とても苦戦すると思われていたお部屋が先に決まるとは、ステージングの力って本当にすごい」とお言葉をいただきました。

変形したお部屋をお持ちのオーナー様、管理会社様の空室対策の一助になれば幸甚です。

この記事を書いた人

森山由佳

株式会社 空間工房/ROOMディレクター・宅地建物取引士

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