ダイニングキッチンのホームステージング

ファミリータイプの築古物件で多い2DKタイプのお部屋。キッチンが独立しているので調理中の匂いや煙などが他の部屋へ影響しづらい。といったメリットがある反面、一般的に6畳から8畳程度の広さが多く、テレビやソファを同時に置くのは難しい。

また玄関から丸見えとなってしまう場合もある為、その使い方で二の足を踏んでしまう内覧者も多いのではないでしょうか。

今回はそんな2DKのお部屋のホームステージングについて。

未来の入居者が抱えている不安を少しでも取り除く

一般的にホームステージングでは、空間を家具で仕切り、視界を遮ってしまう事はタブーとされています。
しかし、私は賃貸におけるホームステージングは必ずしもそうではないと考えています。

主役はお部屋ではなく、その先の入居者であると考えているからです。

内覧の際、未来の入居者が抱えている不安をホームステージングで少しでも取り除く事に重きを置いています。家具で空間を仕切っても内覧時に十分な奥行を感じる配置が可能な場合、私は家具で空間を仕切り、その空間の使い方を提案する事にしています。

キッチンとの関係性を考慮したカラーボックスとカウンターの配置

今回のダイニングの場合、キッチンと平行にカラーボックスを2個配置し、天板を置くだけの簡易的なカウンターを作成。
カラーボックスの間にはゴミ箱を置き、調理に必要な収納を確保した上で、動線を短くすることをホームステージングで提案しています。カラーボックスの後ろにはルーバータイプのパーテーションを立て、パーテーション裏にカウンターテーブルを置きました。
カウンターテーブルは物件の小窓付近にくるように配置し、食事をしながら外を眺める光景が想像できるようにしています。
カウンターテーブルを選ぶ事で、室内に十分な広さを確保する事が可能になり、狭いという印象が残らない様に工夫しました。

また、壁面を有効に活用する提案として、壁面ラックを置き、そこに小物でホームステージングを行いました。この場所をフォーカルポイントとし、入って一番初めに目に留まる場所としました。

光の入るリビングに、くつろぎの空間を演出

ダイニングの隣の部屋はリビングとし、一番光の入る場所にソファとTV台をセッティング。ポカポカと当たる日に当たりながらゆっくりと休日を過ごす光景が想像できる様にしました。
エレベーターのない4階のお部屋の為、若いカップルまたはご夫婦をターゲットとし、シンプルな家具類を選びました。

この部屋のホームステージングはリビングプラン(86,000円/3カ月)をご利用いただき、4ヶ月間空室のお部屋に設置。設置後約2ヶ月で新しい入居者様が決まりました。

この記事を書いた人

森山由佳

株式会社 空間工房/ROOMディレクター・宅地建物取引士

CATEGORY

ARCHIVES